第171章 私の病気をちゃんと診てくれればいい、家族には知らせないでくれ

夢の中の長谷川栞は、怒りで我を忘れていた。

「黙って! 私が奪ったって何よ。奪ったのは中野航平のほうでしょ。あの人が、私のそばから子どもを取り上げたの!」

中野蓮はその剣幕に怯え、くるりと背を向けると中尾美希の胸に飛び込み、わんわん泣きながら「追い出して」とせがんだ。

「栞さん、ほら……子どももこう言ってますし。もう帰ってください」

中尾美希は蓮を抱き寄せたまま、勝ち誇った顔で栞を見た。わざとらしく腹を突き出すようにして。

――もうすぐ産まれる。

「子どもを返して。返してくれたら、帰るから!」

そう言いながら、長谷川栞は中へ踏み込もうとする。

その瞬間、中野蓮が小さな爆竹みた...

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